令和4年度
新たな道をつくる
下伊那教育会会長 賜 正俊(飯田東中)
令和4年度下伊那教育会の会長を務めることになりました、飯田東中学校の賜 正俊です。公益社団法人下伊那教育会の更なる充実と発展のために、微力ではありますが、皆さんの力をお借りして、全力でこの任に当たっていく覚悟です。どうぞ、よろしくお願い致します。
さて、公益社団法人としての下伊那教育会は今年度で10年目を迎えます。この間、郡音・郡展の保護者、地域への公開、教科等研究部、郷土調査部による研究成果の発表、さらには調査研究部、専門部の地道な委員会活動を通して下伊那の教育文化の向上に大きな役割を担ってきました。ところが、一昨年度からは、新型コロナウイルス感染防止のために、郡展、郡音の開催中止をはじめ、その他多くの活動が、中止を余儀なくされました。苦しい状況は、今も依然として続いています。
しかし、そんな中でも会員の皆さんは、今できること、すべきことは何かを考え、コロナ禍における授業づくりの実践を集め、そのよさを発信したり、子どもたちの作品を教育会ホームページで紹介したり、郷土調査部や教科等の研究のまとめをオンラインで発信したりする等、様々な工夫をして、学びを止めない取り組みを進めてきてくださいました。心から感謝しております。
コロナという疫病との闘い、ロシアのウクライナへの軍事侵攻、気候変動による未曽有の自然災害等、今世界は混沌としており、これまで通りやっていれば何とかなる、そんな時代ではなくなっています。こうした不確実な未来を生き抜いていく子どもたちの為に、私たち下伊那教育会もこれまで通りではいけないと思っております。
下伊那には、「下伊那スタイル」としての研究体制が昭和28年から連綿として続いてきていますが、そのスタート時には「現場の緊急課題の解決」「教育の刷新と充実」「下伊那の子どもに合った教育」を目的として掲げています。現在のコロナ禍における学校現場は、その当時と同じかもしれません。コロナ対応以外にも、部活動改革、ICT教育の推進、働き方改革等の多様な課題は、まさに「現場の緊急課題」であり、この解決に向けて課題を整理・分析し、「教育の刷新と充実」「下伊那の子どもたちに合った教育」という原点に立ち返る時だとも感じています。
下伊那教育会には、ただ単に形だけを引き継ぐのではなく、目の前の子どものために教育の形をアップデートしていこうという熱い思いが脈々と流れ続けています。どう解決していけばよいかわからないから思考停止になり、簡単に前年度踏襲という結論にするのではなく、皆で知恵を出し合えば、新たな道は必ず見えてくるはずです。これまでの先輩方が積み上げてきた熱い思いを受け継ぎ、此処下伊那で偶然出会った仲間と共に、皆で新たな道をつくっていきましょう。1年間、よろしくお願いいたします。