令和8(2026)年度

 

下伊那教育会会長 石井 克之(高陵中)

「147年の伝統を力に、『探究的な学び』への一歩を共に!」

 下伊那教育会は明治12年の発足以来、本年で147年目を迎えます。交通不便な山間地の小規模校が点在するこの地で、先人たちは互いに教育実践を磨き合い、教育の質を高める伝統を築いてきました。地理的条件を克服してきた先人たちの不屈の精神と熱意は、時代を超え、今も私たちの活動の根底に流れる力強いエネルギーとなっています。法人化から14年、郡音・郡展や各委員会の活動を通じ、下伊那の教育文化を支える大きな役割を果たしてきた自負があります。

 信濃教育会の大日方貞一会長は、本年度の常任委員会にて「不易と流行」に触れ、「信州教育における『不易なもの』は何かというと、『子ども中心の教育』『全人教育』等々、『常に、崇高な理想を掲げ、新たなものに挑戦し続けてきたこと』に尽きるのではないか」と語られました。数多の先導者たちが理想を求め、挑戦と挫折を繰り返しながら築いてきたDNAが私たちにも宿っていると信じ、課題山積の今日において、教育会という同じ志を持った仲間と共に一歩踏み出していく気概を持ちたいものです。

 文科省資料「これからの時代の教育とは」では、「受動的な知識の吸収」や「与えられた課題をこなす」から「自分で学びをつくっていく」「知識・技能を生かして探究する」へとの変化していかなければならないとあります。つまり、受動的な知識吸収から「自ら学びをつくる」「探究する」学びへの転換が求められています。この「探究的な学び」を推進するには、私たち自身がこれまでの慣習を「変える」勇気を持たねばなりません。既存の枠組みにとらわれず、子どもたちが自ら問いを見つけ深めるための環境をいかに整えるか、その方策を共に探っていく必要があります。

 「子ども中心の教育」を掲げながら、いつの間にか大人の都合や形式、結果ばかりを優先してはいなかったでしょうか。子どもたちの「思い」を真ん中に置けているか、今一度、自らの実践を立ち止まって見つめ直してみませんか。
 個々の研修には限界がありますが、本会での出会いとつながりを通じ、自らの「授業観」をアップデートしていく。そんな「良い教育会」を、皆様と共に創り上げていきたいと願っています。

 1年間、よろしくお願いいたします。