令和7年度

 

下伊那教育会会長 滝澤 勇一(飯田東中)

「下伊那教育会総集会寄せて」

皆さん,おはようございます。吹く風に初夏の香りを感じることのできる爽やかな季節を迎えています。それぞれが自分に向けて新しい思いをもってスタートを切って1ヶ月が過ぎました。その思いに向けての確かな一歩がきっと踏み出されていることと思います。

さて,本日ここに公益社団法人下伊那教育会総集会を開催しましたところ,ご多用中にもかかわらず,信濃教育会様,長野県議会議員様,飯伊市町村教育委員会連絡協議会会長様はじめ多くのご来賓の皆様のご臨席を賜り,心より感謝申し上げます。また,会員の皆様には,郡内各地よりご参集いただき,ありがとうございます。

明治12年7月の下伊那教育会議の開催から数えて,今年で146年目を迎えます。今日,この会場にお集まりの皆さんの多くが,「下伊那教育会」に入っていらっしゃるとか思います。「教育会に入られた理由は,なんですか?」という問いかけに,どんな言葉がもどってくるでしょうか?私は教育会に入って,今年で38年目になりますが,初任の学校で先輩の先生からの「教育会,入るよな?名前書いておくでな」の声がけに「はい,お願いします」と返事をしたのがきっかけでした。もちろん「教育会とは,どんなものなのか?」…わかっていないスタートでした。当時は,土曜日に学校があって,土曜日の午後,教育会の委員会が行われていました。未知の世界の委員会ってどんなものなんだろうという思い,「委員会に行ってきます」と,学校を出ていかれる先輩の先生方の姿に,憧れを感じていた自分がいたことを想いだします。

そんな「憧れの委員会」に入ったのは,2校目に下久堅小に異動した時のことです。今日,受付でとっていただいた資料に載せたのは,下久堅小で3年目,社会科委員だった時に行った全郡教科等まとめの会の指導案の一部です。当時は,平日の午後,全郡一斉に各教科の委員会が授業を行い,1年間の研究の成果を授業を通して伝える,そんな形で行われていました。私が教材として取り上げたのは,下久堅でかつて盛んに行われていた紙漉きでした。当時は,地区で最後まで紙漉きをされていた方が,今年で辞められる,そんな状況でした。「紙漉きで授業をやりたい」という私の思いは,ありましたが,「思いだけ」でした。そんな思いを,委員会の先輩の先生方が「滝澤さんがやりたいならやらせてあげよう」と言ってくださり,さらに教材化についての方向を示してくださいました。また,指導案が真っ赤になる朱も入れてくださいました。今,振り返ると,本当に恵まれていたなぁ…と思います。「やってみたい」の思いを受け止め,全力で支えてもらった自分がいました。その取組を通して,「教育会とは,どういうものなのか」の答えを見つけることが出来た気がします。私は,教育会で育ててもらって今があることを感じています。「教育会の活動を通してこんなことを学んだ,それが今の自分に生きてつながっている」そんな思いをもっているのは,きっと私だけでなく,今日,この会場にお集まりの先生方の中にもきっとたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

話は変わります。「日本連合教育会」という組織があります。「日本」という言葉から,全国,47都道府県の教育会が加盟している団体というイメージを私はもっていましたが,実際に加盟しているのは,1都10県2市の教育会だそうです。私が,それを知ったのには,本当に最近のことでした。戦前,全国にあった教育会が減ったこと,その背景の1つには,戦後,教育会と教職員組合の一体化が進んだこともあるそうです。そうした流れの中で,私たちの教育会は残ってきました。私が,この話を聴いて感じたことは,「残ったことにきっと大きな意味と価値があるんだろうな」ということでした。もちろん「それなら教育会は,いらないんじゃないか?」という考えも出来ると思います。実際,学ぼうとした時,研修の場は教育会以外にも求めることができます。では,教育会のないところでは,研修は,どのように行われているのでしょうか?今日,ご来賓としてお見えの信濃教育会の原先生にお聴きすると「やる人は,自らお金を出して研修に参加している,一方で全く研修に参加しない職員もいて,二極化されている」というお話をお聴きしました。そうした状況があることを知って,寂しい思いを感じさせられました。今日,ご来賓でお見えの後藤正幸先生がお話の中に「教育会に今日,行くかい?」そんな言葉を入れてお話をしてくださいますが,「今日,行ける会」である教育会が身近にあることは,私達にとって当たり前のことです。でも,そんな「当たり前」を見返してちょっぴり大切にしていけたら…と思います。

この教育会は,私達自身が自ら学ぶ場として自分達で創っているものです。「先生」と呼ばれ,子ども達の前に立つ私達にとって,研修し,学ぶことは,必要です。その場を,自分達の手で創っていることに大きな価値と意味がある気がします。そんな「自分達の手で創る場所」であるから,教育会の活動は「こうでなければいけない」ではありません

昨年度,下伊那教育会は,5年ぶりとなる郡市連合音楽会の開催,全郡教科等研究まとめの会の平日開催等,新たな活動へ確かな一歩を踏み出しました。今年度もより多くの参加者が魅力を感じ,「参加してみたいな!」という思いをもてる場をつくることに取り組んでいきたいと考えています。今日,受付で配られた私の名前で出された資料にQRコードがついています。「教育会で新しくやってみたいこと」という皆さんの思いを集めて,何か1つでも今年度,形にしていけたら…と思っています。皆様の素敵なアイデア,ご協力をお願いします。

最後に,今年度,教育会の活動を行っていく上で合言葉になるもが出来たら…と,昨年度末に皆さんから寄せられた反省,教育会への要望を読ませていただき,キーワードになる言葉を選びながら幹事会の先生方と一緒に考えてみました。令和7年度,下伊那教育会の合言葉は,「共に創り,学ぼう!わくわく下伊那教育会」です。合言葉にあるように,皆さんと一緒にわくわくする思いを感じることのできる教育会をつくっていくことに取り組んでいきたいと思います。

先ずは,今日の総集会が「来て,よかったな!」と思えるものになること,願っています。こうしてこれだけ多くの会員の皆さんを前に,直接,こうして話すことの出来る場は,今年度,これが最初で,最後になるかと思います。今年度,小さな一歩ですが前に踏み出せる1年をつくっていくことを皆さんにお約束し,挨拶とさせていただきます。「共に創り,学ぼう!わくわく下伊那教育会」皆さんと一緒につくっていきましょう!終わります。